レクサス GX460 販売停止、米大手メディアは冷静

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13日、北米トヨタは『レクサスGX460』の販売一時停止を発表した。これは米消費者団体の雑誌「コンシューマーレポート」が同モデルを横転の危険があるとして「買ってはならない」という見出しをつけて発表したレポートを受けたもの。

これに対し、米大手メディアは揃って販売停止に関する報道をしているが、その論調は一様に落ちついたもの。関係各所の立場からの事実関係を淡々と報じるといった、一連のリコール問題の際とは全くトーンが異なる印象だ。

一例をあげるとニューヨークタイムズ紙は米トヨタ、コンシューマーレポート、NHTSA(米道路交通安全局)等のコメントを集めた形の構成を取っている。また北米トヨタがレポート発表から僅か数時間で販売停止を決めた対応の迅速さを強調。「コンシューマーレポートが指摘したGX460の問題点を真摯に受け止め、適正に対処したい」とのコメントを掲載している。

今回、米コンシューマーレポートが「買ってはいけない」とした根拠として行ったテストとその結果は、60マイル(97km/h)以上のスピードで急カーブを曲がりながらアクセルオフの状態にした時に、テールスライド状態になったというもので、縁石等に乗り上げた場合には横転する可能性があるとしている。

横滑り防止装置(ESP)が有効に働いていないという見解で、これまで95台のSUVで同様のテストを行ったが、このような挙動は起きなかったとの説明だ。同レポートではGX460と同じプラットフォームのトヨタ『4ランナー』では問題がなかったが、異なる2台のGX460を用いた際には同じ結果が出たと報告している。

これに対しNHTSAは「これはレクサスとコンシューマーレポートとの問題」としながらも、これまで2010年型のレクサスGX460のオーナーから、同様の苦情が寄せられたとの報告は無いとコメントを寄せている。

NYタイムズは、90年代コンシューマーレポートがいすゞ『トゥルーパー』(ビッグホーン)とスズキ『サムライ』(ジムニー)に横転の危険性があるとレポートしたことで、結果的にメーカーと裁判にまで発展した経緯を明記して記事を結んでいる。

レクサスGX460は、トヨタ『ランドクルーザープラド』をベースにV8エンジンを搭載したSUVで、今1月に新型が発売されたばかり。エドモンズ・ドット・コムによると今年の第一四半期に4787台が販売されており、この数字はレクサスブランドの10%、北米トヨタ全体の1%にあたるものだ。

《ケニー中嶋》

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