東京都世田谷区は、区内で運営しているコミュニティサイクル「がやりん」に、三洋電機の太陽電池・充電池・電動アシスト自転車をセットで導入し、2010年から3か所の駐輪場で供用を開始している。そのひとつ、東急田園都市線桜新町駅前の駐輪場に、太陽電池とリチウムイオン電池を組み合わせた「ソーラー駐輪場」が完成し、3月16日に使用を開始した。
世田谷区は、区内の公共交通の補完を目的として、以前からレンタサイクルを導入してきた。現在は東急田園都市線三軒茶屋と桜新町、京王線桜上水、小田急線経堂と成城学園前の5駅6か所に駐輪場を設置している。このうち桜新町・桜上水・経堂の3拠点では、貸出と異なる場所への返却を可能とするコミュニティサイクルのシステムを展開している。
今回完成した桜新町駐輪場の屋根には、約46平方mの太陽電池7.56kWを設置し、バッテリー充電とLEDを使った夜間照明に活用する。発生した電力はリチウムイオン電池に蓄電し、雨天や夜間の充電も可能としている。太陽電池で発生した直流電力を交流に変換せず、そのまま充電に使うので効率も高い。
電動アシスト自転車は回生充電機能付の「エネループバイク」で、桜新町と桜上水に各40台、経堂に20台の合計100台を配置する。利用料金は1回300円で、ほかに専用カード作成時にデポジットとして3500円が必要になる。
三洋電機は2009年から、創エネ(太陽電池)・蓄エネ(二次電池)・省エネ(業務用機器)技術を融合したスマートエナジーシステムを提案している。ソーラー駐輪場と電動アシスト自転車を組み合わせたコミュニティサイクルシステムはその一環で、これまで徳島県、大阪府、福島県で実施に移されてきた。今後は海外へも展開していくつもりだという。