トヨタ自動車は17日、東京本社で品質問題について記者会見を開いた。その席上、豊田章男社長は「トヨタ生産方式を自ら破ってしまった」と反省の弁を述べた。
トヨタ生産方式とは「ジャスト・イン・タイム」を元に、売れる分しかつくらないこと。ところが、トヨタはお客の要望に添うなら悪くないと拡大戦略に邁進した。「世界各国で販売金融をてこに、実際の需要以上に売り上げを伸ばしてきた面があった」と豊田社長。
その結果、品質を支える現場の人材を充分に育てることが後回しになってしまった。そのうえ、ユーザーの不平不満を集めて分析し、それをカイゼンにつなげることもおろそかになった。
今回の一連のリコール問題は、トヨタの驕りが招いた結果といえる。「現在、トヨタ生産方式の基本に立ち返り、在庫がたまればラインを止めるということを実践している。これからさらなるジャスト・イン・タイムの追求をしていきたい」と豊田社長は強調した。