【トヨタ SAI 発表】ベンチマークは ゴルフV

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トヨタの新型ハイブリッド専用車『SAI』のドライブフィールの特徴は、非常に滑らかであるということ。兄弟モデルのレクサス『HS250h』も、レクサスブランドの他のセダン系モデルに比べて当たりが柔らかであるが、SAIはさらに快適性のほうにシャーシ性能のリソースを割いているという印象だ。

「乗り心地、操縦安定性など、走行性能に関するチューニングには、徹底的にこだわった」とは、チーフエンジニアの加藤亨氏。

「ベンチマークにしたのは、フォルクスワーゲンの『ゴルフV』です。ゴルフVはあらゆる部分がとにかく自然なフィーリングというのが特徴。ロール方向の姿勢変化に強いのに、乗り心地はフラットそのもの。このゴルフVに走行フィールや快適性で並び、できることなら超えたいと考え、頑張りました」

乗り心地や操縦性は、ボディの完成度によって変化する。レクサスHS250hとSAIの場合、ボディ性能や品質を上げるべく、開発過程でどんどんスペックアップした。ボディが設計変更を受けると、そのたびにチューニングもやり直しをしなければならない。煮詰めは量産直前まで続けられたという。果たしてその成果やいかに。

「ゴルフVを超えられたかなと思うのは、悪天候時のスタビリティですね。(北海道)士別のテストコースで雪上を高速で走ってみたのですが、SAIは本当に修正なしに直進できるのに対し、ゴルフVは微妙に左右に振られるのを修正しながら走るという感じです。及ぶことができなかった部分としてまず挙げられるのは振動減衰。ゴルフVは何かを踏んだ時、ゴンと一発揺れた後、振動がほとんど残らずに消える。SAIをさらに良いクルマにするため、これからもさらに研究、改良していきますよ」(加藤氏)

ちなみにSAIには16インチホイールの205/60R16、18インチホイールの215/45R18の2種類のタイヤが用意されている。イメージ的には空気層の厚い16インチサイズのほうが乗り心地が良さそうに思えるが、実際に乗り比べてみると18インチサイズのほうが振動が少ないように感じられた。両者の違いはディーラー試乗をする際に、チェックしておきたいポイントだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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