日産自動車は11月10日、東京大学、アドバンスト・ソフトマテリアルズと共同開発した塗装技術の特許実施権をNTTドコモに供与すると発表した。この技術はドコモの携帯電話に採用される。
日産は、世界初の塗装技術である「スクラッチシールド」を2005年12月から車のボディ用塗装に採用している。スクラッチシールドは、細かな擦り傷であれば時間の経過により復元し、従来の塗装に比べて傷がつきにくくなったことで、綺麗な塗装面を長く維持できるのが特長。
今回ドコモにライセンス供与するスクラッチシールドは、この技術を応用したもので、日産と東京大学の共同研究の成果をもとに2006年からアドバンスト・ソフトマテリアルズ社と共同開発した。携帯電話に採用されるスクラッチシールドは、塗装がはがれにくく、表面の美しさがより長持ちするとしている。
日産では2004年から自社が持つ知的財産を異業種にライセンスする活動を行なっている。自社で研究開発した多くの技術やノウハウなどを他業種を含めて多くの分野での利用を促進することで、社会に貢献するともに、特許使用料で収益を確保すことで、技術開発に投じた資金を回収することで、投資効率を高める狙いがある。