まず10点は『i-MiEV』に入れた。初めて乗ったとき、加速感とハンドリングに感動を覚えたからだ。EVの加速感覚はつまらないものだと思っていたが、このクルマには抑揚を感じた。ただし、航続距離など問題点は山積みだ。でも、それを解決するために新しい産業が動く可能性をEVは秘めている。運転して価値観を見出せるクルマである事と、環境性能を備えていること。この2点においてi-MiEVが最も相応しいと考えたから10点とした。
注目の『プリウス』と『インサイト』にはそれぞれ4点を配点した。両車(社?)の戦争から逃げたわけではない。広報車をお借りして何日も独自に試乗したが、ハンドリングを含めた乗る楽しさをi-MiEV以上に見出せなかった。どちらも同レベルだと考えたのだ。
輸入車ではメルセデスベンツ『Eクラス』に5点。これはEクラスクーペのハンドリングに感動したから。『ゴルフ』も素晴らしいが『XC60』も『MiTo』もレベルが高い。持ち点の関係上、インポートはどれか1台に入れることにしたのだ。
これで4台23点を使い果たし残りは1台2点。これを『アクセラ』に配点した。相変わらずマツダのデザインが良く、大掛かりな装置を必要としないアイドリングストップ機構のi-stopを開発してきたからだ。その技術を買って、特別賞のモスト・アドバンスト・テクノロジー賞はこのアクセラに投票。
モスト・ファン賞は『フェアレディZ』に投票。最後にベスト・バリューは189万円というバーゲンセールを開いたインサイトに投票した。
松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
スローエイジングという独自の健康法を提唱し54歳のスーパーGT最高齢の現役レーサー。ランボルギーニ『ガヤルド』で戦っている。INDY500など海外レース経験も豊富で、確かな知識と国際感覚でクルマの評価を行う。