BMWは、ベルリンで『MINI』ベースの電気自動車(EV)『MINI E』をモニターに50台貸与する実証実験を6月からおこなっている。BMWと組んで充電ステーションの開発と設置を受け持つのは、スウェーデンの電力会社Vattenfall(ヴァッテンファル)だ。同社の欧州法人のVattenfall Europe AGは、2010年までの期限付きでBMWと契約を結びMINI Eと充電ステーションを共同で開発。ドイツ環境省の助成金を受けて実証実験に当たっている。今回、ベルリンのVattenfall Europe AGの本社を取材。MINI Eに同乗できる機会を得られたので、インプレッションをお届けしよう。
MINI E最大の特徴は、減速時の回生だ。通常のクルマとかなり異なるペダル操作が必要で、アクセルペダルから足を離すと惰性走行はせず、エネルギー回生をともなうブレーキが自動的にかかる。この制動力はかなり強く、停止直前までブレーキがかかる。一般的なクルマと同様フットブレーキもあるが、街乗りでは完全に止まるために利用する程度。Fischer氏によれば「積極的に回生することで、電池の消耗を可能な限り抑えるねらいがある」という。
なお、Vattenfall Europe AGとBMWの契約は2010年までとのことで、それ以降は他の自動車メーカーとのアライアンスも視野に入れているという。EVの普及をビジネスチャンスと見る電力会社は多く、フランスのEDFやドイツのRWEなども複数の自動車メーカーと組んで実証実験に参画している。それら実験の多くは、政府の支援のもとでおこなわれている。