東レ、CFRPプラットフォームを10分以内に成形

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東レは、炭素繊維複合材料(CFRP)を用いて自動車プラットフォーム(車台)の前部フロアを10分以内に成形することに成功した。

これは独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)が進める省エネルギー技術開発プログラム「自動車軽量化炭素繊維強化複合材料の研究開発」の受託事業。従来のスチールに対して50%の軽量化を実現するとともに、1.5倍以上の衝突安全性(エネルギー吸収量)を達成した。

CFRPは、軽量化と安全性の両立が求められる次世代の自動車構造材料として注目されているが、量産化に向けて、大型・複雑構造の形成と成形時間の短縮が技術的な課題となっていた。特に成形時間の短縮は、CFRPの量産性向上とコストダウンに直結する重要な課題。

東レはこの課題に対し、CFRPを10分サイクルで成形することを目標に、「ハイサイクル一体成形技術」の開発に取り組んできた。ハイサイクル一体成形技術は、金型の中に炭素繊維のプリフォーム(中間基材)を配置し、樹脂を高速で注入・硬化させてCFRPを成形するRTM法を全面的に見直すことで、実現した。

今回、新技術を融合することで、複数の部材が一体化した大型サイズのCFRPを10分以内のハイサイクルで、一貫して自動成形できるようシステム化した。

東レはこの開発技術を用いて、複雑な三次元形状を持つドアインナーパネルの10分成形に成功したのに続いて、今回大型・複雑構造を持つプラットフォーム(前部フロア)についても10分サイクルの成形を達成した。

一方、安全性の検証では、同プラットフォーム試作品を用いて前面衝突試験(フルラップ衝突試験)を行った結果、スチール対比50%の軽量化を実現しつつ、1.5倍以上の衝突安全性を達成した。これにより、開発プロジェクトの最終目標である「安全性と軽量性を兼ね備えたCFRP製プラットフォームのハイサイクル一体成形」の実証に成功したとしている。

《レスポンス編集部》

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