盗難車とカーチェイス20時間

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岩手県警と秋田県警は5日、秋田県内でクルマを盗み、複数の検問を強引に突破するなどして逃走していた39歳の男を窃盗容疑で逮捕した。逃走劇は約20時間に渡り、この間に軽傷当て逃げ事故を起こした可能性も高いとみられている。

岩手県警・交通機動隊、秋田県警・捜査1課によると、最初に事件が起きたのは4日の午前11時ごろ。秋田県由利町内の県道沿いで路上駐車している不審な保冷車を発見した秋田県警・本荘署員が職務質問のため接近。運転席にいた男に免許証の提示を求めたところ、突然加速してその場から逃げ去った。

保冷車の行方は一時不明となったが、同日の午後9時40分ごろに井川町今戸付近の国道7号線で警戒中の五城目署員が発見した。すぐに進行方向での検問が行われたが、保冷車は道路封鎖をしていたパトカーに体当たりし、これを強引に突破。

約30分後には追跡しているパトカーを妨害するような行動を見せ、一般車両とパトカーの接触事故も誘発している。

逃げ続けた保冷車は午後10時40分ごろ、八竜町芦崎付近の国道101号線で急停車し、追跡してきたパトカーを後部へ衝突させている。パトカーが減速した隙に急加速してさらに逃走を続けた。

午後11時20分ごろには秋田市内に到達。秋田市泉北1丁目付近の県道交差点では待ち伏せていたパトカー1台を破壊、さらに信号無視で交差点を突っ切ろうとした際、一般車両との接触事故を起こした。この事故で運転していた21歳の女性が軽傷を負ったが、保冷車は停止することもなく、そのまま走り去った。

保冷車は5日未明に西仙北町刈和野付近で発見されたが、運転していた男の姿は無かった。警察では現場周辺に潜んでいる可能性が高いとして捜査を続けたが、この間に男は徒歩で協和町峰吉川付近まで移動。民家の敷地内に止まっていた軽トラックを盗み、さらに逃走を続けた。

男は軽トラックで国道46号線を岩手県方向に向かって逃走。角館町内の検問も強引に突破した。

その後、男のクルマは岩手県盛岡市内まで到達するが、盛岡市馬場町付近で道に迷い、中学校の敷地内に入って立ち往生したところを追跡してきた岩手県警・交通機動隊の隊員や、越境追跡してきた秋田県警・角館署員に取り押さえられ、窃盗容疑で逮捕された。

男は約20時間に渡って逃走。その走行距離は400km近くに達していたとみられる。男は取り調べには素直に応じており、最初に乗っていた保冷車本体を青森県内で、装着していたナンバープレートは秋田県西木村内で盗んだことを認めている。

警察では男が執拗に逃走した目的などをさらに調べ、秋田市内で起こした当て逃げ事件についても近く再逮捕する方針だという。

《石田真一》

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