ドイツのメディア大手で、フォーミュラ・ワン(F1)の興業権を持つキルヒ社が破綻した問題で、かつてのようにメーカーの手によってF1が開催されるる可能性が出てきた。
キルヒは子会社が持つ独占興業権を盾に、F1の有料放送化を目論んでいたが、欧州自動車メーカー各社がこれに反発、BMW(ウィリアムズ)、ダイムラー・クライスラー(マクラーレン)、フィアット(フェラーリ)、フォード(ジャガー)、ルノーはGPWCホールディングスを立ち上げて、メーカーによるF1規格の別レースイベント開催も視野に入れていた。
しかし、キルヒは、F1やワールドカップの興業権を取得するために背負った多額な負債の返済の目途がたたず、経営破綻した。これに伴って今後のF1開催への影響も注目されていた。
今回、キルヒに債権を持つ銀行団は、GPWCと交渉していることが明らかになった。銀行団はGPWCによるF1興業権の買収を打診していると見られ、うまく交渉がまとまればメーカーの手によって従来通りF1が開催される可能性が高い。