正体不明のまま、今年の初めから様々なメディアで「パソコンを超える世紀の発明。これがあることで今後の都市開発を根底から揺さぶるかもしれない」などと絶賛されてきた仮称「ジンジャー」あるいは「IT」が、ジャイロシステムを利用した電気スクーターの一種であることが3日、明らかになった。
アメリカの発明家であるディーン・カーメン氏が開発したもので、『セグウェイ・ヒューマン・トランスポーター』という商品名が付けられた。左右に車輪があり、その中間に設けられたステップに立ち乗りするという、一見アンバランスなものだが、10個のジャイロを内蔵し、1秒間に100回程度の演算を行うことでバランスを確保している。運転者が行きたい方向に体を傾けるだけで、重力センサーがそれを感知。19km/hのスピードで約30kmの航続距離がある。
カーメン氏は昨年末ごろから、「個人の移動に使用する乗り物」に関する特許を次々と申請。開発資金の提供を求められたアップル・コンピューターのスティーブン・ジョブスCEOが「パソコンを超える発明品だ!!」と絶賛したため、世界中で「ジンジャーというすごいものを作っているらしい」という噂が駆け巡り、一時は「空を飛ぶスクーターらしい」という憶測も飛び出した。
今のところ発売はアメリカだけに限られ、一般向けモデルの価格(現地)は約37万円になるのではないかとみられている。