国土交通省の「高速道路のあり方検討委員会」委員に要請され、自動車業界から就任したトヨタ自動車の奥田碩会長に注目が集まっている。
5人のメンバーのなかで“道路の素人”とあって、しばらく聞き役にまわっていたが、「儲からないなら民営化してもしようがない」と発言したり、他の委員が「小泉首相が特殊法人は民営化か廃止かと言っている。当然、廃止はできないので民営化が前提だ」と発言したのに対し、「廃止とは具体的にどういうことですか?」などと鋭いツッコミを入れたりして、世界のトヨタ会長としての存在感を示した。
奥田氏はトヨタを大企業病から立ち直らせただけでなく、対外活動でも経済団体統合など手腕を発揮している。会合では奥田氏が発言するたび、プレス関係者が同席する会議室が静まりかえるなど、道路行政改革への期待感が現れていた。