16日、ノースカロライナの裁判所がダイムラー・クライスラーの内部文書を公開、大きな波紋を呼んだ。クライスラーが欠陥の認められる車を買い戻し、過去の記録を隠してユーズドカーとして販売していたことを暴露する内容のものだった。このような欠陥車はアメリカで「レモンカー」と呼ばれる。文書によると、クライスラーは1993年から2000年までのあいだに5万台ものレモンカーを総額13億ドルをかけて買い戻していたことになる。
クライスラーのレモンカー疑惑は以前からささやかれていたが、今回の裁判でその実態が初めて明らかにされた。メーカーがトラブルのある車をリコールせずに買い戻し、ユーザーに告知せず再販売していた、というのは企業倫理の面から見ても重大な問題。大幅なリストラ、株主代表裁判に揺れるクライスラーに、新たなピンチを招きかねない。