【新聞ウォッチ】ホンダ「花の38年組」吉野社長は経団連副会長、入交氏は“渡り鳥人生”

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【新聞ウォッチ】ホンダ「花の38年組」吉野社長は経団連副会長、入交氏は“渡り鳥人生”
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気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2001年3月13日付

●トヨタ、賃上げ7600円で決着、一時金は2年連続で満額(読売・8面) 

●入交氏、バンダイで“復活戦”(読売・8面)

●三菱自工クレーム隠しで、前社長らに株主代表訴訟、11億7700万円賠償請求(読売・39面) 

●軽自動車、保有台数2000万台突破、4輪全体の27%(産経・6面)

●:経団連新副会長に吉野浩行・ホンダ社長ら選任(毎日・8面)

●日産とルノー「購買機能を統合」意思決定の迅速化図る(朝日・8面)

●上場企業連結経常益24.5%増、自動車も牽引役に浮上(日経・1面、関連記事・3面)

●水素自動車燃料補給施設、独BMW、3000カ所設置へ (日経・9面) 

●ホンダ、賃上げ7400円で妥結へ(日経・11面)

ひとくちコメント

先週末は三菱自動車の話題が満載と書いたが、きょうも各紙は、社会面で三菱自工のクレーム隠し事件で、河添前社長ら11人の役員を提訴したという記事を報じている。株主代表訴訟に対して、同社広報部は「会社に対してではなく、役員個人に対する請求なのでコメントは差し控えたい」と、コメントしているように、いずれにしても今後の「法の裁き」に注目するしかない。

それはともかく、きょうの紙面で驚いたのは東芝の西室泰三会長とともにホンダの吉野社長が経団連の新副会長に選任された記事である。来年5月からの日経連との統合をにらんだ人選だが、ホンダといえば、一時は米国に本社を移す噂もあったほどで、企業規模に比べて政治献金も少なく、財界活動などもほとんど無関心だった。それだけに、逃げ回っていた自動車工業会の会長を内諾したり、今回初めて「財界副総理」の座に就くなど、その心境の変化には驚かされる。

吉野社長は、川本信彦前社長、かつてホンダのプリンスと言われた入交昭一郎氏とともに“花の38年”同期入社組。その吉野社長は川本体制が長期化するのを見込んで、早々と伊豆に隠居するための別荘を購入したほどで、一時は表舞台に登場するのをあきらめていた人物。

一方、同期の川本社長の就任でホンダを追われた入交氏はセガに移籍、社長に就任するが「ドリームキャスト」の販売不振で、昨年末にリタイア、渡り鳥人生を続けている。その入交氏が今度は同じゲーム業界とはいえ、バンダイの子会社入りが内定したが、皮肉にもきょうの各紙が、吉野社長の副会長選任と同じ紙面で取り上げている。サラリーマンの出世レースも一寸先は闇。ホンダの“花の38年”組のように、これほど鮮明に明と暗が分かれたケースも珍しい。

《福田俊之》

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