気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2001年2月19日付
●中・東欧への投資加速、トヨタのポーランド部品工場立ち上げに伴い、部品各社の進出加速(日経・9面)
●昨年の現代自動車、純利益最高を記録(日経・11
面)
●ラグビー日本選手権、サントリーが後半一気、トヨタに快勝(産経・19面)
●男子バスケット、プレスーパーリーグ・トヨタ勝ち、ボッシュとプレーオフ進出の最後の1枠争いへ(朝日・15面)
●ディーゼル排ガス、花粉症の「共犯」? 環境省は灰色、研究で黒説も(朝日・26面)
ひとくちコメント
月曜日の各紙は経済面がないので、自動車業界関連の記事が少ないことは再三報じたとおりだが、これだけネタ切れの日も珍しい。そんな中で、日本の自動車メーカーにとって無視できない記事は、日経新聞のソウル支局からの韓国自動車最大手、現代(ヒュンダイ)自動車の2000年12月期決算の結果。
それによると、売上高が前年比28.2%増の18兆2310億ウォン(円換算約1兆6400億円)、純利益も同61%増の6679億ウォンと、いずれも過去最高という。特に米国を中心に輸出が伸び、業績を押し上げたと分析している。韓国の自動車業界は経営破綻した大宇自動車が先週末に1750人の強制解雇に踏み切るなど、再建が危ぶまれている一方で、現代自動車とその傘下の起亜自動車の業績が際立って好調。
先般、トヨタ自動車の張富士夫社長に「トヨタの強敵はどこか」と問うと、間髪入れずに「韓国車」と答えていた。韓国車と言えば、以前は低価格でも品質はイマイチだったのが、品質面でも互角に競えるまでに向上しているという。「ユニクロ」の自動車版と思えばいい。老舗のアパレル流通が総崩れしたように、一人勝ちのトヨタでも、いつまでものほほんとしていられなくなってきた。