ソフトメーカーの反対の声があがって、一時は存在自体が危ぶまれた“MP3”だったが、そうした心配をよそに実は着実にユーザー層を捉えてきているようだ。米国のユーザーの間ではこのMP3への関心は想像以上に高く、今年のCESを見ると、MP3対応機をカーオーディオで出していないのは珍しいとも言えるほど。
何しろ、メモリースティックを提唱するソニーでさえ、市場からの声にはかなわず、ついにこのCESで対応機を発表。SDメモリーカードの松下も現段階では製品化していないものの、年内には米国市場で製品化をする予定でいるという。
とにかく、昨年暮れのコンピュータ関連での最大のヒット商品は一人で100枚単位のセット品が次々と売れたCD-Rだったという声も聞こえるほどだ。きっと多くの人がクリスマス休暇中にせっせとCD-RにMP3でコピーしたんだろうね。
日本人からすると、現段階では録音にはコンピュータを介することが多いMP3は、使い勝手の上からも決して良くないようにも思えるのだが、コンピュータの浸透度が日本よりもはるかに高い米国の家庭ではこれは大した問題とはならないんだそうだ。
日本では人気が高まっているMDも米国ではまったくダメだし、スーパーオーディオCDやDVDオーディオも一般ユーザーはほとんど関心なし。また、メモリーカードを使ったMP3にもコストがかかるということでどうも関心は高まらない様子。CD-RにMP3で録音するためにも、カーオーディオのMP3対応はもはや欠かせない状況となったことは間違いない。