アメリカCNNの報道によると、サウジアラビアがファイアストン社製タイヤの輸入禁止措置を決め、同社に通達してきたという。禁輸措置は10月から行われると見られており、現在サウジアラビアの港に停泊中の船から荷下ろしされているタイヤが最後の輸入となる。
ファイアストン側も27日にこの事実を認め、サウジアラビアの対応を「不必要で極端な措置」と批判するとともに、アメリカ運輸省の道路交通安全局(NHTSA)や通商代表部(USTR)に通報を行ったとしており、同社のスポークスマンは「このような広範な禁輸は、サウジアラビアが加入交渉中の世界貿易機関(WTO)協定上、正当化できない」とコメントした。
サウジアラビア国内では、フォード『エクスプローラー』に装着されたファイアストン社製のタイヤのトレッド面が走行中に剥離するという事故が相次いでおり、フォードではアメリカでの事故が発覚する2年以上も前にタイヤの交換作業を行っている。サウジ国内での交換について、ファイアストンの親会社であるブリヂストンの海崎社長は9月11日に行われた記者会見で「事故はフォードが北米仕様のタイヤを高温の砂漠地帯に持ち込んだことが原因」だとして、ファイアストン側に問題がないことを強調している。