三菱自動車工業が大量のリコールにつながるクレーム情報を隠していた事件から、運輸省が三菱自動車の型式指定の審査を停止している問題で、10月1日に発売する予定だった『ランサーセディアワゴン』の発売が延期されることになった。
三菱自動車では発売延期を、すでにディーラーに通知しているという。トヨタ『カローラ』や、日産『ブルーバードシルフィ』、ホンダ『シビック』とメーカー各社から秋の新車商戦に向けて新型車が相次いでいるが、三菱自動車は新型車投入が遅れ、販売への影響が及ぶのは確実だ。
型式指定は新型車を販売するため、メーカーが運輸省から保安基準に適合していると承認を受ける制度で、国産車の場合、事実上型式指定を取得しなければ新型車を発売できない。リコール隠しなどから、三菱自動車の品質保証体制に疑問を抱いた運輸省は、型式指定の審査をストップ、三菱自動車に点検を指示している。
ただ、リコール隠しやクレーム情報隠しと型式指定は、ほとんど無関係で、いわば今回の事態を受けた運輸省の「意地悪」の措置だ。