GPSの誤差信号の解除によって『D-GPS』の存在そのものの意義がなくなったと考える人も少なくない。確かに今までよりは効果が薄くなることは確かで、今後はD-GPSの搭載を見送るカーナビが出てくることは避けられないように思う。
しかし、今回の状況下では、D-GPSを使った場合、精度はかつての「10m単位の誤差」から「1m単位の誤差」にまで上がったとされ、その意味ではD-GPSを利用すれば究極の測位システムが出来上がることになる。ただ、すでに述べたように、マップマッチングのあるカーナビではその効果がなかなか実感できない状況にある。
やはりロカティオのようなハンディ型情報端末でGPSを受信したときにのみそのメリットは活かされるように思う。ただし、米国防総省では「軍事上必要と思われる場合には誤差信号を再び入れることがある」ともしているし、今後数年間にわたって太陽の黒点活動が活発化するとも言われているから、これらの影響で測位精度が大幅に悪化することも考えられる。となれば、D-GPSを使っていれば、たとえこの状況下であっても未然に誤差の発生を抑えることも可能になる。