日産ディーゼル工業は、大型バスの原動機に不具合があったとして運輸大臣に対してリコール(回収・無償修理)を届け出た。昨年12月23日付けで毎日新聞が「日産ディーゼルの大型バス発火のおそれ、トラブル知りつつリコールせず」と大きく報じた。運輸省もこれを受けて「早く対応を」と同社に要請、暮れもおしせまったなかでリコールの届け出となった。 対象台数となったのは93年3月から97年12月までに生産した合計1612台。 これらの大型バスでは、エンジン吸入空気予熱装置の配線においてエンジン上面への取り付け方法に不適切なものがあるため、付近の部品と接触するものがあり、そのままの状態で使用を続けると、被覆が損傷し、配線の芯線が発熱して被覆から発煙し、最悪の場合、被覆が燃えるおそれがある。 新潟県長岡市の越後交通の大型バスでトラブルが発生した。運輸省にも情報提供があり、運輸省では日産ディーゼルに調査していた。ある業界関係者は「すぐに対応しない日産ディーゼルに腹を立てた、ある筋から毎日新聞に情報が提供された」と解説する。 いずれにしろ、報道があってからすぐのリコール届け出を考えると、不具合発生の可能性にメーカーの腰は重いという姿勢がここでも浮き彫りとなった。 |