フミア---さて、本題に入りましょう。BWMデザインは『7シリーズ』以降、批判にさらされています。いや批判だけでなく、好きと嫌いに人々の評価が分かれています。これについてどうお考えですか。あるいはどう説明しますか。
バングル---いい質問です。ファッションは好き嫌いですませられますが、デザインはおおいに議論すべきですよ。まず第一に、一つのメーカーのデザインが安定してしまうと、それを見る人々の思想も固定してしまいます。顧客が固定されてしまうんですね。
次にタイムフレームの問題があります。たとえばシェイクスピアが『ハムレット』を発表したとき、人々は驚きを持って迎えました。ところが今では古典です。作品は人に理解されるようになって評価が完結します。
今のBMWデザインも、5年、7年たって評価が決まるでしょう。
フミア---『6シリーズ』は、私は買ってもいいと思いました。プロトタイプにあたる『Z9』がよかった。新鮮で、プロポーションがいい。『7シリーズ』はプロポーションが悪いですね。『5シリーズ』で話題となった顔は、そんなに悪くないと思います。ただ、他のBMW車のデザインと同じ手法でデザインしているのに、スピリットが違うようです。
全体を通していえることは、同一デザインのスケールアップ/ダウンではないということです。しかし同類なのです。同じ手でデザインされたということがわかる。ファミリー・フィーリングがあります。これは大切なことです。
もう一点。フランスのルノーは過去10年間、革新的なプロトタイプを発表し続けてきました。どれもすばらしいと思います。ただ量産化されたのは『メガーヌ』など少数です。BMWの勇気には敬意を表します。
バングル---ありがとう(笑)
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