フミア---まずはせっかくですから、2003年、日本カーデザインの総括からまいりましょうか。東京モーターショーを見ていかがでした?
バングル---技術的にいくつか面白いものがあったけど、「ワオ!」と驚くようなのはなかったですね。レクサスのセダン『LF-S』がよかったかな。後ろより前がいい。BMWと似たラインの使い方もありましたが。
フミア---そう、ディティールではほかのメーカーを連想させる処理がありましたね。東京モーターショーを見回して、本当に未来的な提案はありませんでしたね。あまりエキサイティングなものはなかった。
バングル---ハイブリッドにしても、空力技術にしても、90年代から進歩していない。もっと発展してもよいはずです。
フミア---日本メーカーには技術があるのに残念ですよ。国際的に最高水準のテクノロジーがあるのにそれをデザインで表現していない。シトロエン『DS』はよその星から来た乗り物のような衝撃を人々に与えましたよね。日本メーカーには新しいDSを作るのが可能ですよ。
バングル---日本メーカーはみんなエレガントでスポーティなデザインばかりですね。その点、モーターサイクルの展示はよかった。技術を中心に新鮮で革新的な提案がありました。
フミア---日本メーカーも挑戦しているのでしょうが、方向性が定まっていません。たとえば、どれが本当のホンダなのか。『HSC』はいいクルマかもしれませんが、フェラーリやアウディの『ルマン・クワトロ』を思い出させる。ファミリーフィーリングがあるのは日本ではスバルだけでしょう。よくないことです。
|