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インタビュー/コラム:企業人 |
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【安田有三トップインタビュー Vol. 8】ねじれ解消、新家族計画---三菱 園部社長+エクロート副社長
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●ヒュンダイのことなどコメントしてない
――トラック・バス事業でのボルボとの資本提携関係を解消し、すでに乗用車で資本提携関係にあるダイムラー・クライスラーとトラック・バス事業についても協業関係を結ぶことになりました。なぜボルボとの資本提携関係を解消したのですか。
園部 私たちは乗用車事業とトラック・バス事業を明確に区分して、それぞれの事業がそれぞれに利益をあげられる体制を築く狙いをもっていました。乗用車でダイムラー・クライスラーと資本提携する以前に、トラック・バス事業は分社化して、それにボルボが入っていくことで、完全に独立した会社にする方針を打ち出していました。そこで、ダイムラー・クライスラーと乗用車をいっしょにやっていくことが決まった時に、ダイムラー・クライスラーに「トラック・バス事業ではボルボといっしょにやることが決まっていますので、トラック・バス事業については干渉しないでほしい。このことを了解してもらえるなら、三菱自動車は、乗用車事業をダイムラー・クライスラーといっしょにやります」と要求しました。
――その結果、ダイムラー・クライスラーは三菱自動車の要求を呑んだわけですね。
園部 そうです。我われは「チャイニーズウォール」と言っていますが、万里の長城のような完璧な城壁を設けて、乗用車事業はダイムラー・クライスラーと、トラック・バス事業はボルボと協業関係を結ぶことにしました。ところが、その後、ボルボはルノーと資本関係をもつことになりました。三菱自動車とボルボは、トラック・バスの車種構成の上で相互補完関係が築きやすいのですが、ルノーはトラック・バスのフルラインメーカーですのでルノーとボルボと三菱自動車がどういう相互補完関係になるのか、再評価が必要になりました。いっぽうで、ダイムラー・クライスラーと三菱自動車は当初、資本提携以降10年間は、34%というダイムラー・クライスラーの持ち株比率を引き上げないことで合意していたのですが、三菱自動車のリコール問題が起きたために、ダイムラー・クライスラーの三菱自動車に対する介入の度合いを高めようということで、10年を3年に縮めたわけです。3年後にダイムラー・クライスラーの持ち株比率がどうなるかわからない状況で、いくらチャイニーズウォールを築いていくといっても、トラック・バスでのボルボと将来共同開発するなど新しい投資についてはダイムラー・クライスラーの了承をとらなければならなくなってしまいました。
――そこがボルボにとっては大きな不安材料だった?
園部 そうですね。ボルボは三菱自動車の株式の3.3%をもち、トラック・バス事業を分社するときにはそれを19.9%に引き上げることになっていました。ダイムラー・クライスラーの三菱自動車の株式34%保有が、3年後にはそれ以上に引き上げられるかもしれない状況になった時(昨年12月頃)、ボルボから「分社したトラック・バス会社の株式をダイムラー・クライスラー並みの34%にすることはできないのか」とか、「3年後にダイムラー・クライスラーの持ち株比率が34%以上になるようなことがあれば、それに応じてボルボの持ち株比率を引き上げることができるように契約内容を変更してくれないか」などの打診がありました。
――ボルボからのそういう打診に園部さんはどう答えたのですか。
園部 それには応じられませんと言いました。なぜなら、ダイムラー・クライスラーはすでに決まったことについては関与しないという方針ですが、新しい事態(ボルボの持ち株比率を引き上げるための契約変更)についてはダイムラー・クライスラーからの意見があるからです。
――それに対してボルボから何か反応はありましたか。
園部 昨年12月以降、特別な連絡は何もありませんでした。
――ボルボの持ち株比率を引き上げるのは難しいし、ボルボがルノーと資本関係を持ったことで、三菱自動車との相互補完関係を再評価しなければならなくなったことが、ボルボをして三菱自動車との資本提携関係の解消に踏み切らせたということですか。
園部 ダイムラー・クライスラーとボルボとの間で話し合いが行われたのでしょうが、それに関する情報はまったくありません。いま申し上げたのは、そういうことではないだろうか、という憶測です。
※これについての安田有三氏の解説
――トラック・バスについてもダイムラー・クライスラーと協業することになりましたが、問題はありませんか。
園部 三菱自動車が手掛けている中・小型トラックはダイムラー・クライスラーのそれと同じエリアにいるわけではありませんので、相互補完関係は成立しますし、何ら問題はありません。ただし、トラック・バス事業でのダイムラー・クライスラーとの具体的な協業関係についてはこれから検討しますので、まだ決まっていません。
――トラック・バス事業の分社は見送ることになりますか。
園部 分社化したほうがダイムラー・クライスラーとの協業でメリットがあるのか、社内で乗用車事業とトラック・バス事業を明確に区分した方がメリットがあるのか、これらを十分に検討して結論を出します。
《写真=菊池 慶》
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【シリーズ:安田有三トップインタビュー】
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