フィアットは29日、フランスで行われた「第56回カンヌ国際広告祭」で、史上初の4賞を同時受賞したことを明らかにした。グランプリ、2つの金賞、銅賞の4タイトルだ。
サイバー部門では、「エコドライブ」の広告がグランプリを獲得した。エコドライブは、フィアット各車にオプション設定される「Blue&Me」(ブルー&ミー)のUSB端子に、専用フラッシュメモリーを装着。走行中の車速、シフトチェンジのタイミング、加減速時のGなどのデータを収集するものだ。そのデータをパソコンに取り込めば、自分の運転の問題点がわかり、次回からのエコ運転に役立てられる。
フィルム部門とアウトドア部門の2部門で金賞に輝いたのが、フィアットの新しいブランドキャンペーン広告だ。最もフレンドリーな動物といわれるパンダとフィアット『500』を起用し、フィアットの環境に優しい車作りがアピールされた。フィアットによると、欧州で2008年に販売したフィアット全車の平均CO2排出量は133.7g/km。これは全メーカー中、最も少ない数値だという。
アウトドア部門の銅賞が、ランチア『デルタ』の「オートパーキングシステム」の広告。デルタが自動的に駐車スペースに収まる様子を表現したものだが、後席乗員とドライバーの両方が、新聞を読んだままというのがユニークだ。
今年のカンヌ国際広告祭では、財政破たんした北海道夕張市のPRキャラクター「夕張夫妻」が、プロモーション部門のグランプリに輝いた。日本では大きなニュースとなったが、現地ではフィアットの4賞受賞のほうが、高い注目を集めたようだ。