欧州新車販売、ドイツが39.7%の大幅増…5月実績

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欧州新車販売、ドイツが39.7%の大幅増…5月実績
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ACEA(欧州自動車工業会)は16日、5月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は127万0195台で、前年同月比は4.9%減と4月の12.3%減から回復。依然として13か月連続の前年割れが続いているが、スクラップインセンティブを導入したドイツは39.7%増と、5か月連続で前年実績を上回った。

欧州5大市場では、ドイツが相変わらず好調だ。5月は38万4578台を販売し、前年同月比は39.7%増と5か月連続のプラス。これは1月から、9年以上保有している古い車を一定の基準を満たした低公害車に代替する際に、最大2500ユーロ(約34万円)を補助するスクラップインセンティブを始めた効果だ。1 - 5月累計でも22.8%増の163万2294台と、スクラップインセンティブが好調なドイツ新車販売の原動力となっている。

5大市場で、ドイツ同様の補助金制度を導入しているのが、フランスとイタリア。フランスは前年同月比11.8%増の20万6247台と久しぶりの前年実績超え。イタリアは8.6%減の18万8670台と、4月に続いてマイナス幅をひと桁に抑えた。一方、インセンティブのないスペインは38.7%減の7万1161台、5月末にインセンティブを導入した英国は24.8%減の13万4858台と、明暗を分けた。

主要9社の販売実績は、1位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比3.1%増の27万8933台とプラスに転じた。VWブランドが9.2%増の15万2603台、セアトブランドが3.4%増の2万9090台と、牽引役を果たす。

2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比5.9%減の16万5167台。3位のフォードグループ(ボルボを含む)は、5%減の12万5395台。フィアットに代わって4位に浮上したとはいえ、GMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)は、10.8%減の11万8602台と不振。しかし、シボレーブランドは『マティス』や『アベオ』が好調で、3.9%増の1万7295台と2か月連続のプラスを維持した。

5位に後退したフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、11万6243台を販売。前年同月比は2%増と2か月連続のプラスだ。ブランド別では、フィアットが2.8%増の9万3955台、ランチアが1.4%増の1万0815台と、好調である。

6位のルノーグループ(ダチアを含む)は、前年同月比4.4%減の11万2064台。ルノーブランドは16.8%減と落ち込んだが、ダチアブランドは99.8%増の2万4894台と、驚異的な回復を示している。

4月の9位から7位に上昇したのは、BMWグループ(MINIを含む)。しかし、その内容は前年同月比14.1%減の6万5490台と、完全回復とは言い難い。8位のダイムラー(メルセデスベンツとスマート)は、8.9%減の6万1714台。9位のトヨタグループ(レクサスを含む)は、8.9%減の5万9266台にとどまった。

韓国メーカーでは、ヒュンダイが2万9309台を販売し、前年同月比は25.1%増と4か月連続のプラス。キアも1.1%増の2万1924台とプラスへ転じ、韓国2社は回復を遂げている。

また日本メーカーでは、日産が前年同月比9.1%減の2万5739台、スズキが3%増の2万2726台、ホンダが7.5%減の1万9869台、マツダが25.8%減の1万5780台、三菱が7.5%減の9308台と、スズキを除いて苦戦している。

5月の欧州新車販売は、ドイツのほかにもスクラップインセンティブを導入するオーストリアが、前年同月比4.8%増、ギリシャが5.1%増と高い効果を示した。欧州新車販売は、まさにスクラップインセンティブ頼りの様相を呈している。

《森脇稔》

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