11日未明、神奈川県海老名市内の市道で、路肩を歩いていたとみられる男性がクルマにひき逃げされ、死亡する事故が起きた。警察は後にタクシー運転手の男を逮捕した。クルマに搭載されていたドライブレコーダーが事故の瞬間を録画していたという。
神奈川県警・海老名署によると、事故が起きたのは11日の午前1時20分ごろ。海老名市柏ケ谷付近の市道で、路肩に頭から血を流した男性が倒れているのを通行人が発見。男性は近くの病院に収容されたが、頭部を強打したことが原因でまもなく死亡した。後の調べで現場近くに住む37歳の男性と判明している。
男性は現場近くの飲食店で酒を飲み、帰宅しようとした直後にクルマにはねられた可能性が高くなった。飲食店の従業員が「ドン」という衝撃音を聞いた直後に店外に出たところ、上下に弾むようにして走り去るタクシーを目撃していた。
警察ではタクシーがひき逃げしたものとみて、捜査を開始。市内のタクシー会社に照会したところ、GPSを利用したロケーションシステムにより、事故が起きた時間帯に現場付近を走行していたタクシーが存在することが判明。営業所に戻ってきたタクシーには衝突痕があり、クルマに搭載されていたドライブレコーダーを分析したところ、男性と衝突した瞬間の映像が記録されていることもわかった。
警察ではタクシーを運転していた63歳の男を自動車運転過失致死や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕。事故の詳細について調べを進めている。
現場は片側1車線。調べに対して男は「何か黒っぽいものに乗り上げたことには気づいたが、人だと思わなかった」などと供述しているようだ。GPSロケーションシステムや、ドライブレコーダーの映像がひき逃げ容疑者逮捕に役立ったのは神奈川県内では初という。