【ジュネーブモーターショー09】BMWの新ジャンルカー、姿を現す

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BMWは13日、『5シリーズグランツーリスモコンセプト』を初公開した。セダンやSUV、ステーションワゴンでもない、まったく新しいジャンルを提案した意欲作である。

この新型車は、BMW社内では、「PAS」(プログレッシブ・アクティブ・セダン)という仮称で、開発されてきた。全高はセダンとSUVのほぼ中間で、クーペのようなルーフラインを持ち、テールゲートは『X6』のように傾斜。乗り手のアクティブなライフスタイルを表現する5ドアモデルとして登場した。

5シリーズグランツーリスモコンセプトという車名が示しているように、シャシーは次期『5シリーズ』と共用。ヘッドランプの造形には、『7シリーズ』との共通点も見て取れる。全体のフォルムは背の低いX6のように見えるが、「5ドアスポーツクーペ」という呼び方のほうがふさわしいかもしれない。

グランツーリスモコンセプトの大きな特徴が、航空機のファーストクラス並みの快適性だ。ボディサイズは全長4998mmで7シリーズの5070mmに迫る大きさ。さらに注目すべきはホイールベースで、3070mmと7シリーズと同じ長さが取られた。この結果、グランツーリスモコンセプトは後席足元にたっぷりとした空間を確保。また、全高は1559mmあり、独立4座のシートは、どの席でも頭上空間に十分な余裕を持たせた。ブラウンとホワイトのレザーを組み合わせた室内は、新しい高級車像を予感させてくれる。

荷室には新アイデアとして、2段階で開閉できるハッチゲートを採用した。大きな荷物を積む時は、ハッチゲートをフルオープンにし、ちょっとした荷物を載せたい場合は、小型ゲートを開けて対応する。荷室容量は570-1650リットル(VDA測定法)と、大人4名分の荷物を積むのに十分なスペースを備えている。

エンジンはガソリン、ディーゼルともに3.0リットル直6ツインターボで、市販時には4.4リットルV8ツインターボも用意される見込み。BMWならではの“駆け抜ける喜び”を、高い環境性能とともに実現する「エフィシエントダイナミクス」は、しっかり息づいている。

5シリーズグランツーリスモコンセプトは、3月3日に開幕するジュネーブモーターショーで正式発表。ほぼこのままの姿で11月に市販される。9月のフランクフルトモーターショーでは、市販仕様がメインステージを飾るものと思われる。

《森脇稔》

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