「目立ち男」テレビニュースに出没中

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「目立ち男」テレビニュースに出没中
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ここ数年、イタリアのテレビニュース中継で、一人の男がさりげなく映っていることが増えた。

閣僚や政党党首へのインタビュー場面の背後に、かなりの確率で男は映っている。地味な服装で片手に手帳を持ち、一見記者のようである。不自然な点を挙げれば、神妙な表情とメモする手が若干大げさなくらいだ。

この男性、実は単なる「目立ちたがり」である。だが声を発さず、中継を妨害するわけでもないので、政治家の護衛や他の取材陣は彼を制止することができない。

イタリアの民放テレビ局カナーレ5は、ついに13日夜のニュースで、この男性へのインタビューを試みた。それによると、マウロ・フォルティーニというこの男性は、1999年に首都ローマでこの「目立ち」を始め、一時中断ののち再び開始したという。すでに約8000回の“出演”を果たした。

筆者の記録によると、イタリアでは2000年前後にもガブリエレ・パオリーニという青年が同様にニュース中継における「目立ち男」を演じていた。しかし世間で話題になるにともない、パオリーニ青年は生中継中に自らの主張を叫んだり、自身のURLを書いた横断幕を掲げるようになった。

そのため、次第に各局の中継班から迷惑視されるようになった。当初はズームアップで画面から外すように試みていたが、やがて放送中の青年を監視する専属のスタッフを配備するようになった。ついには怒りのあまり「蹴り」を入れる中継キャスターまで現れ、パオリーニ青年は次第に画面から消えていった。

現在のフォルティーニも、たとえ有名になってもあまり自己主張を始めないようご用心、といったところか。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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