泥酔状態でクルマを運転中、電柱に激突する事故を起こして同乗していた友人を死亡させたとして、危険運転致死罪などの罪に問われた24歳の男に対する判決公判が26日、さいたま地裁で開かれた。裁判所は被告に対し、懲役3年6カ月を言い渡した。
問題の事故は2003年5月14日未明に発生している。さいたま市大宮区天沼2丁目付近の市道で、当時22歳の男が運転する乗用車が道路左側に設置されていた電柱に激突。クルマが大破するという事故が起きた。
この事故で助手席に乗っていた22歳の男性が頭を強打して死亡している。運転していた男は事故当時には泥酔しており、会話も困難な酩酊状態だった。
警察では当初、業務上過失致死の容疑で調べていたが、男には以前にも酒気帯び運転での検挙歴があることが判明。今回の飲酒運転についても故意である可能性が高いとして、送検時に容疑を危険運転致死に切り替えていた。
26日に行われた判決公判で、さいたま地裁の若原正樹裁判長は「被告は飲酒運転を軽視し、事故当時は強い酩酊状態にあることを自覚しながらも運転を強行した」と指摘した。
その上で「危険であることを軽視したがゆえに起きた結果は重大で、遺族側とは示談が成立しているものの、これまでの検挙歴からも実刑は免れない」として、被告に対して懲役3年6カ月の実刑を命じている。