今年11月、静岡県静岡市葵区内の国道362号でワゴン車を無免許運転し、歩道に乗り上げて歩行者5人を次々にはねて重軽傷を負わせた16歳の少年について、静岡家裁は20日、中等少年院送致とする保護処分を決定した。
問題の事故は今年11月1日の午前8時40分ごろ発生した。静岡市葵区常磐町1丁目付近の国道362号を走行中のワゴン車が道路左側の路外に逸脱。交差点部から歩道に乗り上げて、歩行者5人を次々とはねた。この事故で1人が重傷。4人が軽傷を負ったが、クルマはそのまま逃走。後に16歳の少年が容疑に関与したと断定し、自動車運転過失傷害や道路交通法違反(ひき逃げ、無免許運転)の容疑で逮捕された。
事件発生時、少年は15歳だったが、検察では「容疑が極めて悪質」として、刑事処分相当の意見を付けた状態で家裁送致していた。過失事件としては異例の厳しさといえるものだった。
だが、静岡家裁は20日、「少年には更生の可能性がある」として刑事処分の必要を認めず、中等少年院送致とする保護処分を決定した。検察は「主張が受けいれられなかったのは残念だが、家裁の決定を尊重したい」としている。