1 | カオリという名のダイハツ車 |
ここのところイタリアでダイハツが奮闘している。メーカーによれば、2005年の販売台数は6404台であったものが、昨年は一気に1万台ベースに達したという。新型『テリオス』が、手頃な4WD車として人気を博したためだ。
その勢いにのったかは知らないが、ラインナップを眺めると面白いことをやっていることに気づく。『シリオン』(日本名『ブーン』)と『マテリア』(同『クー』)のバリエーションに、日本女性名をつけているのである。
シリオンの場合、ベースモデルが「アキ」、その上が「ミオ」、AT仕様が「カオリ」という。また、マテリアにも下から「ショウ」、「ヒロ」、「タカ」というグレード名がついている。いっときの特別仕様ではなく、ちゃんとしたものである。
「車名・グレード名に数字やアルファベットの羅列が多い=高級」という不可解な法則ができつつある自動車業界において、なんとも痛快な一撃である。
考えてみれば、今日その“数字・ABC羅列系”の最右翼である「メルセデス」だって、もともとは女性の名前だ。ミオやカオリもいっそのこと車名に格上げすれば、日本車として快挙であろう。