英国ロンドンのエクセル(ExCel)にて、現地時間8日、「第13回ITS世界会議」が開幕した。今回のテーマは、“ITS: Delivering Transport Excellence”(ITS:素晴らしい移動手段をもたらすもの)。9日から11日まで、さまざまな展示のほか、研究結果の報告会などが行われる。
オープニングセレモニーでは、ホスト国であるイギリスのダグラス・アレクサンダー運輸大臣が基調講演を行った。同大臣は、今回のITS世界会議について、「さまざま国、さまざまな考え方、さまざまな団体、さまざまな分野からの提案があるが、そのめざすところは優れた交通システムの実現の1つに絞られている」と紹介。そして、「交通問題における短期のニーズと長期の展望を調和させるためにこそ、ITSは必要である」と講演を締めくくった。
また、アジア・太平洋地域からの代表として豊田章一郎ITSジャパン会長もスピーチ。日本やアジアのITSの取り組みについて述べた後、「環境問題、省資源、安全などに配慮した持続的な成長を実現するためには、ITSによる優れた交通システムが必要」とITSの有効性を強調した。
開催地である英国ロンドンは、渋滞課金や、オイスターカードと呼ばれる非接触型ICカードによる公共交通システムなどが充実した都市だけに、世界各国から集まったITS関係者が、今回のITS世界会議に寄せる期待は大きい。