マツダは4月28日、東京・日本橋のロイヤルパークホテルで2006年3月期決算の説明会を行い、井巻久一社長は今期(07年3月期)の販売方針について「意図的に台数を下げてでも、ブランドをつくっていく」と強調した。
マツダは過去、販売台数を稼ごうと大幅な値引き販売を行い、中古車価格が大きく下がったことがある。その結果、ユーザーからの信頼がなくなり、賢いユーザーはマツダ車を敬遠する傾向が強くなった。それがある意味で、マツダが90年代後半危機的状況に陥った一因でもあるが、井巻社長はその同じ轍を踏まないようにしようというわけだ。
「いま、マツダのブランドができつつある。国内では、『アテンザ』はどのクルマよりも下取り価格が高い。米国でも『マツダ3』は2年経っても値段が下がらない」と井巻社長。
マツダは07年3月期の世界出荷台数を当初目標の125万台から121万台に下げたが、そこにはブランドを大事にしたいという井巻社長の熱い思いがある。