アメリカ国内でのシェア回復、業績向上に努めると約束したフォードが、思い切った社内改革に着手した。2月1日より、本社があるミシガン州ディアボーンのトラック工場に勤務する従業員で、フォード以外のクルマに乗っている者は敷地内の駐車場の使用が禁止となる。
もちろんフォード社として「フォードあるいはグループ企業以外のメーカーのクルマに乗ってはならない」という取り決めを行っているわけではない。しかし今回の新ルールは、UAW(全米自動車労働者組合)の地方支部からの支持も受けているという。
今回の、フォード車以外のクルマに駐車場使用の権利を与えない、という決定は、トラック工場のプラントマネージャーから出されたもの。2月1日以降、フォード車以外のクルマを所有する従業員は、通りを隔てた駐車場を利用することが義務づけられる。
確かに自動車メーカーでは従業員価格のインセンティブを行うなどして自社のクルマに乗ることを奨励してはいるが、今回のようなルール作りは業界でも初めてのこと。
「工場まで長い距離を歩く分、フォード車以外のクルマのオーナーの方が健康面で利益をこうむるのではないか」とメディアに揶揄される決定だが、当のマネージャーは「すべてのフォード工場でこのようなルールを作るべき」と強気なそうである。