10日から13日に西オーストラリア、パースを中心に行なわれたプロダクションカー世界ラリー選手権(=PCWRC、WRC最終戦と併催)ラリー・オーストラリアで日本の新井敏弘が優勝、本年のPCWRCワールドチャンピオンになった。FIA認定の世界選手権で日本人がワールドチャンピオンとなったのは新井が初めて。
PCWRCは市販の量産車両による世界選手権で、38歳の新井敏弘は、世界選手権タイトルがかけられた同シリーズ発足時の2002年より出場している。新井は、スバル『インプレッサWRX STI』を駆って03年、04年にはシリーズ2位に入っており、4年目の本年はワールドチャンピオン獲得が悲願だった。
ラリー・オーストラリアのコースは固く締まったグラベル(未舗装路)を球状の砂利が覆う、このラリー特有の路面。ハイスピード区間やワインディング、ジャンプが続くジェットコースターのような地形など、変化に富んだ設定となっていた。
10−11日のレグ1はマーク・ヒギンズが首位となり、新井は2位で終えた。12日レグ2で、新井はヒギンズにプレッシャーをかけ続け午後に逆転、トップに出た。13日レグ3は、アキ・テイスコネンが新井を猛追したがコースアウトしてリタイヤ。これで新井の優勝が濃厚となったが、新井は集中を切らさずフィニッシュラインを越え、優勝を決めた。
新井敏弘は「ラッキーだったこと、辛かったことなど色々ありましたが、念願のワールドチャンピオンを手に入れることができてホッとしています」とコメント。