金持ちを狙って当たり屋…被害者の執念

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兵庫県警は22日、走行中のクルマに対して故意に腕などを当て、治療費や腕時計の修理代と称して現金を騙し取っていたとして、63歳の男を詐欺容疑で逮捕した。芦屋などの高級住宅街に出没し、約10件の犯行を重ねていたとみられる。

兵庫県警・芦屋署によると、詐欺容疑で逮捕されたのは、神戸市兵庫区内に在住する63歳の男。この男は芦屋などの高級住宅街に住み、高級輸入車を運転する中高年の女性をターゲットに当たり屋行為を繰り返していた疑いがもたれている。

直接の逮捕容疑は今年4月8日の午前10時45分ごろ、芦屋市東山町付近で発生した事件。男は44歳の女性が運転するベンツの左ドアミラー部へ故意に左腕をぶつけ、接触事故が起きたかのように装い、治療代と腕時計の修理代と称し、現金2万2000円を騙し取った。

この女性は男の腕に腫れの症状がが見られることや、壊れた時計を装着していたことから男の言い分を信じ、言われるままに金を支払ってしまったが、家族の指摘で当たり屋行為だったことを指摘されていた。

女性は騙されたことが悔しく、男の人相などの特徴を覚えていたが、20日の午前10時50分ごろ、芦屋市大原町付近の市道で同じ男が50歳の女性に対して同様の当たり屋行為を行っている現場を目撃。「その人は当たり屋です」と大声で指摘した。

これに驚いた男はその場から走って逃げ出したが、近くに居合わせた通行人の男性2人が追跡してこれを取り押さえ、通報を受けて掛けつけた同署員に引き渡した。男は詐欺容疑で逮捕されている。

警察の取り調べに対し、男は「芦屋などに住む金持ちを相手に10件ほどの犯行を行った」と供述。「金を持っているので、警察に通報することよりも金で解決しようとするところに付けこんだ」などと話しているという。

《石田真一》

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