「フィアット・ショック」がイタリアを襲った!

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18日午前、ミラノ証券取引所ではフィアット株に大量の売り注文が入り、前日比−11.28%を記録して一時ストップ安となった。昨年まで7ユーロ(970円)台をつけていた同社株が、この日は4.45ユーロ(620円)にまで値を下げた。

イタリア最大の企業のこの事態に、伊経済界には大きな衝撃が走った。

いっぽう午後にはフィアット側から、「5月初旬にはGMから和解金の入金がある」との説明があった。また米国系格付け機関からも、同社がただちに会社清算の事態に陥ることはないだろうとの見通しが発表された。そのため市場は一旦落ち着きを取り戻した。

しかし19日になって、3月の欧州23カ国の新車登録台数速報が発表された。それによると、フィアット系ブランドは前年同月比−20%で、またもや不安材料を提供するかたちとなってしまった。

ある業界関係者は記者に対し、「現在のフィアットは、船底に空いた穴を塞ごうとする人はいない。誰もが我先にマストの先端にしがみつこうとしている」と厳しく分析した。

現在のところ銀行や政府が介入する気配はない。先日から連立政権崩壊に瀕しているベルルスコーニ首相に、とてもフィアットなど考える余裕はないというのが正直なところだろう。

今年はアルファロメオから『159』、『ブレラ』、そしてフィアットからは『クロマ』と新型『プント』が発売される。新型車による巻き返しは、もはや至上命令というところまで追い詰められている。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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