歩道を暴走…痴呆症の運転者に責任を問えるか

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4日、東京都港区内の都道で、87歳の男性が運転する軽ワゴン車が歩道を暴走し、通行人の男性5人をはねる事故が起きた。クルマを運転していた男性には痴呆の症状が見受けられ、事故を起こしたという実感がまったくないとみられている。

警視庁・愛宕署によると、事故が起きたのは4日の午後5時45分ごろ。港区海岸1丁目付近の都道(通称:竹芝通り)で、新幹線の橋げた工事を行っていた建築作業員の男性が、歩道を進行してくる軽ワゴン車の存在に気がついた。

この作業員は運転していた高齢者の男性に対して「ここは歩道だから走っちゃダメだ」と注意。車道に戻るように促したが、男性は「わかりました」と返答した後、クルマを再発進させ、前方を歩いていた歩行者数人の列に向かって突っ込んでいったという。

この事故で背後からクルマに直撃された72歳の男性が、路上に転倒した際に胸部を強打し、肋骨を折る重傷を負ったほか、28−62歳の男性4人も骨折や打撲などで重軽傷を負っている。

警察ではクルマを運転していた87歳の男性から業務上過失傷害容疑で事情を聞いているが、男性には老人性痴呆の症状が見受けられるという。

この点については、最初に男性のクルマを発見した作業員も「注意を理解していなかったようだ」と話しており、警察では刑事責任能力の有無について調べを進める方針を示している。

現場は片側2車線で、JRの高架橋下。当時はこのうちの1車線を閉鎖して、新幹線の橋脚工事が行われていた。

《石田真一》

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