最近、その数がどんどん増えているなと実感できるのが、鮮やかな光を放つLED式の信号機。
それまでの電球式よりも輝度が高く、逆光のときにもドライバーへ確実に色を伝達することができるため、事故が劇的に減少した交差点もある。
導入時のイニシャルコストは高めだが、電球よりもLEDの方が寿命も長いためにランニングコストが安く、トータルコストで見た場合には電球式よりも有利とも言われている。
費用対効果の高いLED信号機だが、それをもっと使ってやろうという提案が今回のCEATECでなされている。それは可視光通信コンソーシアムのブースで展示されている「ITS対応型LED式信号機」だ。
同コンソーシアムに参加している信号機メーカーの日本信号が出品したもの。見た目は普通の信号機と変わらないが、実は赤色の部分が高速で点滅を繰り返しており、光センサーを付加したPDAに、青信号になるまでの時間や、現在地などの情報を送り出すことが出来る。
原理は光ファイバーによる情報通信と同じ。信号機が点滅するといっても、人間の目では認知できず、残像によって連続して点灯しているように見える。
ただし、CEATECに持ち込まれたものは実験機であり、点滅の速度が多少遅いため、デジカメの液晶画面を通した場合、チカチカして見えることもある。
このシステムの応用範囲は広く、LEDを使ったテールランプやヘッドランプに情報を付加すれば車車間通信が。LEDを使った照明装置を設置すれば、カーナビ向けの情報配信や、コンテンツサービスへの利用もできる。
また、スポット的に「ある一部の場所」にだけ情報を送り出すことができるため、正確な位置の特定にも役立つ。
街にある照明装置や信号機が「情報伝達のアイテム」になる時代は近いのかもしれない。