『コンセプトS』からデザインを担当しているスズキの結城チーフデザイナーと、『スイフト』のチーフエンジニアの望月氏にスイフトのデザインコンセプトを聞いた。
●結城チーフデザイナー
今回のデザインを決定するにあたり念頭に置いたのは、特定のユーザー層にターゲットを絞りすぎることなく「ちゃんとしたスモールカー」を造り上げることです。
スポーティでわくわく出来て、適度に派手。かつ力強さと安全性、タフさなどを表現した質感あるボディは、ヨーロッパでは直球勝負ですね。ヨーロッパで映えるボリューム感を持たせつつもあくまでも日本らしさを表現し、ヨーロッパ車のレプリカでない造形に仕上げました。
コンセプトSの前に発表した「GSXR-4」に端を発したジャパニメーション風のデザインは、 若者にアピールする「ハイテク・ニッポン」と、ヨーロッパでも定着しているバイクメーカーとしてのSUZUKIのテイストを活かしました。
●望月チーフエンジニア
ヨーロッパの石畳の上に置いた時でも、街並と風景に負けないボリュームある存在感を出した「塊感」が、うまく出せたと思います。小型車の本場フランス、イタリア、スペインでも映えるデザインです。
スイフトのエクステリアを印象つけるものの一つに、ヘッドライトからテールランプまで、サイドを流れるウェストラインがありますが、これはアウディTT等にも用いられ、現在のトレンドとなっているものです。
スズキ社内の一部では、帯のような形状から通称「きしめん」ラインと呼ばれていたものですが、このラインが、たっぷりとしたボリューム感と日本らしさを程よく調和させていると思います。