普及にあたり、一番大きいであろう課題は、ハードではなく「DSRCならではの魅力のあるコンテンツやサービスを提供できるか」にかかっている。
ETCは国の強引な姿勢(高額ハイカの廃止やETC限定割引)などで何とか普及への道筋がついたが、商用サービスではこうはいかない。車載器を買うユーザーや、路側設備を導入する店舗に、明確なメリットを感じさせないと、いくら価格を引き下げても売れないだろう。
ITS関係の資料で出てくるのは、相変わらず「SSでのキャッシュレス決済」や「ドライブスルー」といった用途だが、SSではクレジットカードも使えるし、本当にユーザーが魅力を感じてわざわざ1万−2万の車載器を買うかという疑問も残る。
やはり、“DSRCにしかできない芸当”をうまく見つけないと、普及は難しいだろう。残念だが、メーカーにはこういう発想に乏しい。
個人やベンチャー企業による、DSRCを使ったユニークなサービスが話題になれば、普及への弾みになるのだが…。