学校に没収されて…免許証の再交付を求める

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福岡県警は1日、「運転免許証の入った財布無くした」などと虚偽の申告を行い、免許証の再交付を不正に受けていたとして、道路交通法違反(運転免許証の不正取得)容疑で少年14人を書類送検した。全国的に見ても珍しい事件だという。

福岡県警・筑後署によると、運転免許証の不正交付を受けていたとして、道交法違反容疑で書類送検されたのは、久留米市などの筑後地域に住む少年14人。

この少年らは非行防止の観点から校則で運転免許の取得が禁止された学校に通っていたが、生活指導の際に免許の所持が発覚。「卒業まで預かる」という条件で学校側が免許証を没収していた。

しかし、無免許でバイクに乗るリスクに不安を感じた少年が、近くの警察署に「免許証の入った財布を落とした」と虚偽の届けを行った後、県警の運転免許課に対して再交付を依頼。再交付された免許証を使ってバイクの運転を続けていた。

この方法は周囲にもメールなどを使って伝わり、結果として14人が同様の方法で免許証を再び手にしている。

しかし、再交付で再び免許証を入手した数人が一時停止違反などの交通違反で捕まり、これが学校に連絡されたことから、免許証を所持していることが発覚。今回の摘発につながった。

免許証を紛失した場合、警察に紛失届けを提出すれば、有料で再交付が受けられる仕組みになっている。少年たちはこれを逆手に取り、取り上げられた免許証の代わりを求めていた。

制度としてすでに定着しているため、これを変更することはできず、警察では「再交付については厳格に行っていきたい」とコメントしている。

しかし生活指導の一環とはいえ、取得が認められている免許証を学校が没収しても良いのか、という議論もあり、警察では対応に頭を悩ませている。

《石田真一》

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