酒の勢いで176km/h、友人3人を殺した男

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酒に酔った状態でクルマを運転し、176km/hでカーブを曲がろうとして道路脇の鉄柱に激突させ、同乗者3人を死亡させたことで危険運転致死罪に問われた31歳の男に対する判決公判が20日、福島地裁郡山支部で開かれた。

裁判所は被告の男に対し、懲役7年の実刑判決を命じている。

問題の事故は2003年6月19日に発生している。同日の午前0時5分ごろ、福島県船引町船引付近の国道349号線で、制限速度60km/hを176km/hという猛烈な速度超過状態で走行していたワゴン車がカーブを曲がりきれず、道路脇に設置された道路標識用の鉄柱に激突した。

この事故によってクルマは大破し、同乗していた3人が心臓破裂や脳挫傷などが原因で即死。運転していた男も全治3カ月あまりの重傷を負った。

後の調べでこの男が事故当時、酒気帯び状態にあったこと、以前から自分の運転テクニックを過信し、周囲に「俺は誰よりも速く走ることができる」と吹聴していたこともわかった。

警察では男の行為が危険運転罪の適用基準に定められた「進行を制御することが困難な高速度で四輪以上の自動車を走行させた場合」に当たるとして、危険運転致死容疑で送検。検察庁もこれを支持して、同罪で起訴されていた。

20日に行われた判決公判で、福島地裁郡山支部の鈴木信行裁判長は「被告はスピードを出して運転することにかねてから興味を抱いており、事故当日も仲間にクルマの性能の良さを誇示しようとして猛スピードを出した」と認定した。

その上で「被告の行為は無思慮で短絡的。危険運転の極致であり、悪質の一言に尽きる」と指摘。著しい速度超過状態で走ったことについては「同乗者が被告にスピードを出すように示唆しており、被告の情状を酌量する余地はある」として、懲役10年の求刑に対し、懲役7年の実刑判決を命じた。

《石田真一》

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