前方不注意…多重衝突の運転手に禁固3年の実刑

自動車 社会 社会

昨年3月、大阪府大阪市内の近畿自動車道で前方不注意が原因で18人が死傷する多重衝突事故を起こし、業務上過失致死傷罪に問われた44歳の男に対する判決公判が30日、大阪地裁で開かれた。裁判所は被告に禁固3年の実刑判決を命じている。

問題の事故は昨年3月29日に発生している。同日の午前9時ごろ、大阪市平野区長吉長原東1丁目付近の近畿自動車道下り線で、当時43歳の男が運転する大型トラックが渋滞中の車列最後部に激突。合計7台が関係する多重衝突事故となった。

この事故で最後部にいた乗用車が大破し、乗っていた3人が死亡。別のクルマに乗っていた15人が重軽傷を負った。

警察では業務上過失致死傷でこの男を逮捕したが、男は取り調べに対して「キャビン内(運転席内)で探し物をしていて、前を見ていなかった。渋滞していることにはまったく気がつかなかった」と供述。衝突の際には助手席側を見ていたことがわかった。

29日に行われた判決公判で、大阪地裁は検察側が指摘していた前方不注意の事実を認め、「前方を注視していれば渋滞の発生は一目瞭然であり、これを怠ったために事故が起きた」と指摘。

「何の落ち度もない人を18人も死傷させた責任は重い」として、被告に対して禁固3年の実刑を言い渡した。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース