公私混同…香典返しを公用車で配達

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愛知県警は26日、北署の署長職にある警視正が、実父が死亡した際の香典返しを同署員3人に配達させていたという不祥事が起きていたことを明らかにした。配達には公用車も使用されており、監察官室では「公私混同も甚だしい」として処分を実施する方針。

これは愛知県警・監察官室が明らかにしたもの。監察官室の調べによると、北署で署長職にある警視正は、実父が死亡した際の葬儀に参列した警察関係者に送る香典返し300個を私費で購入。今年2月9日に同署内にある道場へ運び込むように業者へ依頼した。

署長は部下に対して各署に届けるように指示。これを受けて警務課に所属する署員延べ9人が勤務時間中に公用車を使い、約10日間掛けて170個を配布した。

また、30個については豊橋や岡崎など、名古屋市からは離れた場所にある警察署の関係者を対象としていたため、同署員が非番明けや当直明けの際、マイカーで運んでいたという。

配送に使われた公用車は副署長の管理下にあるもので、普段は署長が外出したり、生活安全課が広報用として使用している。配送が行われた際の運行日誌には使用目的が記されておらず、「XX署」といった行き先のみが記されていた。

北署長は監察官室の取り調べに対しては「当初は宅配便で配送しようと思っていたが、部下が“私たちが配ります”というので甘えてしまったことは否めない」と供述。公用車の使用については「使えと指示していたわけではないが、副署長に“頼むよ”とは言った」などと話し、使用を黙認するように迫っていたことも大筋で認めている。

監察官室では実際に配送を行った署員から事情も聞き、配送の指示がなされていなかったかどうかについても調べを進める方針だ。

これについて愛知県警では「公私混同が行われていたとしたのなら、これは不適切にも過ぎると言わざるを得ない。極めて遺憾であるし、再発防止のためにも厳しい内部処分が実施されることが望まれる」とコメント。さらには26日までに全職員に対して「公用車の私的利用禁止を通達した」としている。

《石田真一》

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