滋賀県警は23日、偽造した運転免許証や、それを用いて開いた銀行の架空口座。プリペイド式の携帯電話をセットにした「おれおれ詐欺セット」などを販売していた41歳の男など、グループ5人を有印公文書偽造容疑で逮捕した。
滋賀県警・捜査二課によると、今回逮捕されたのは41歳の男を筆頭とする、偽造グループ3人と連絡役2人の合わせて5人。
偽造グループの3人は、昨年9月ごろからパソコンとスキャナーを使い、記載されている内容を改竄した運転免許証や健康保険証を偽造。それを使って銀行などに複数の口座を開設していた疑いが持たれている。
男らは自分たちで使うだけではなく、偽造運転免許証や保険証、銀行口座、プリペイド式携帯電話をセットにした「おれおれ詐欺御用達セット」を1セット数万円で販売。また、インターネット上でこれらを使って詐欺行為を行うメンバーを募集する「裏ハローワーク」なるWebサイトを開設していた。
グループの活動を最初に確認したのは昨年11月で、滋賀県内のパソコン販売業者から「同業者が取り込み詐欺にあったとき、依頼者が使っていたのと同じ携帯電話の番号で申し込みがあった」と警察に通報。商品の受け渡し場所に現れた連絡役の男を逮捕したことがきっかけとなっている。
その後の調べで、この男が所持していた運転免許証が偽造されたものであることがわかり、男を厳しく追及した結果、偽造を手掛けるグループの存在も明らかになった。
偽造グループは群馬県内に複数のアジト兼作業場を持ち、家宅捜索を行った結果として複数の偽造書類を発見、押収している。
警察ではこのグループの販売した身分証明書や架空口座が、実際におれおれ詐欺に使用されていた疑いが濃厚として、販売記録を精査するとともに、グループの開設した口座が使用された実績についても調べる方針だ。