無許可の交通標識、埼玉県内に約1000件

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埼玉県警は2日、県内に設置されている交通標識約27万件の再確認を実施したところ、約1000件について埼玉県公安委員会の決定が無いままに設置されていたことを明らかにした。

このうち77件については「必要」と判断され、1月末までに改めて設置許可を受ける作業が行われている。

これは埼玉県警が明らかにしたもの。今回の再調査を行う発端となったトラブルは2002年3月に起きている。埼玉県志木市内の市道で駐車違反の摘発を受けた男性が「前面が錆びて見えにくくなった古い標識だから気がつかなかった」とクレームを申し立てた。

警察で確認したところ、現場に設置されていた標識は非常に古く、クレーム内容の通りに更新が必要であると判断。県公安委員会に対して更新対象に含めるように要望しようとしたところ、実はこの標識が公安委員会の決定を受けず、無許可で設置されていたことが判明した。

宅地造成などで道路が新設された際、本来なら道路形状の変化が生じたことを報告し、それに従って新たに規制内容を決め、それに従って標識を設置する必要があったにも関わらず、これまでの許可内容に沿う形で設置されていたとみられる。

志木市だけでも12件の無許可規制が見つかり、警察では県内に設置された約27万件の標識について再確認を行っていた。

その結果、977件が公安委員会の決定を受けないまま設置されていたことが判明した。

このうち900件については「規制が必要ない」と認められて撤去が決まったが、残る77件については「現状では規制することが適切」と判断。許可を新たに受ける形で既存の標識が残されることになった。

また、これ以外にも3万件が都市開発によって地番変更が行われていたにも関わらず、設置当時の住所表示で残されていることがわかった。現在の地図では設置されている場所が判別できないケースもあることから、警察ではこれらについても1月末までに順次改めた。

警察では「許可を得ていなかった977件については、標識の内容で違反摘発が行われていなかったことも確認している。今後はこうした事態が起こらないよう、管理を徹底させたい」とコメントしている。

《石田真一》

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