28日未明、客を装った男がタクシーの運転手に刃物をちらつかせながら現金を要求するという事件が起きた。
運転手はその場から急発進して難を逃れたが、現場となった東京都北区では今月18日以降、これまでに3件のタクシー強盗事件が発生しており、未遂事件も今回を合わせて2件となった。いずれの事件でも犯人は20歳代前半の若い男で、警察では同一犯による犯行とみている。
警視庁・赤羽署の調べによると、5件目の事件が起きたのは28日の午前2時40分ごろだという。北区東十条5丁目付近の路上でタクシーを止めた若い男が運転手に対し、「クルマを裏口に回してくれ」と誘導した。
運転手がこれに従い、クルマを裏の路地に持っていくと男は突然ナイフを取り出し、窓越しに「カネを出せ」と脅した。運転手がクラクションを鳴らしながらタクシーを急発進させたところ、男は何も取らずにそのまま逃走。運転手は表通りまで戻った段階で警察に通報した。
現場付近では今月18日以降、未遂も含めて4件のタクシー強盗が発生しており、いずれも22〜23歳ぐらいの男が関与している。警察では同一犯が犯行に及んでいる可能性が高いとして、深夜から未明の時間帯に掛け、街を歩く不審者に対して職務質問を強化するなどの取り締まりを行ない、犯人検挙に結び付けていきたいとしている。