【パナソニック『HDX730D』緊急取材】難易度の高い方(youナビ)から攻め始めたから

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【パナソニック『HDX730D』緊急取材】難易度の高い方(youナビ)から攻め始めたから
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インダッシュタイプとなったパナソニック『HDX730D』だが、モニタ以外のメカニズム、ソウトウェア的には昨年10月に発売された『Youナビ(CN-HDX300)』を継承する。そこで改めてyouナビのメカニズムをおさらいしてみよう。

youナビはモニターとハードディスク(HDD)、3Dジャイロ、車速パルスセンサー、TVチューナーパック(TVチューナー+FM多重チューナーをオンダッシュ型の筐体に内包するという、これまでのHDD搭載ナビとは一線を画す思い切った小型化を実現させた。200MHz動作のCPUとインターフェイスを統合した“ウルトラ1チップ”を搭載。これが部品点数の省略化、それに伴う基盤のダウンサイジング化へとつながり、最終的には筐体サイズの小型化に大きく貢献する要因となった。

筐体サイズの小型化という面では今回発売されたHDX730Dも変わらないが、「可能なかぎり臓物は削りました」と説明するのは、パナソニック・オートモーティブシステムズ社(松下電器産業社内カンパニー)・商品企画チームの西浦敬二主事。

ダッシュボード上に置くyouナビはアルミダイキャストを巨大なヒートシンク(冷却機構)とする必要があったが、インダッシュのHDX730Dにはその必要がない。HDDも本体にしっかりと固定できるため、振動防止用のゲルパッケージも不要になった。ウルトラ1チップは今モデルでも採用されており、各種チップが載る基盤も必要最小限。筐体内部に部品が詰まっているという印象もなく、まだ少し余裕があるといった印象だ。

「オンダッシュの高温とガタガタと揺れる環境で縦型のオールインワンを作るのに比べると、今回の技術的な解決点は斜め置きした場合の3Dジャイロの性能確保くらいでした」と西浦主事は語る。「どうしてこちらを先に出さなかったのかと言われることも多いのですが、初めにyouナビがあったからこそ、インダッシュタイプを作るという発想ができた。インダッシュから始めていたら、オンダッシュタイプのyouナビに行き着いていたかどうかは疑問です」。開発陣のチャレンジは、高価な可動式モニタを含みながらyouナビの低価格を維持することに向けられた。

《石田真一》

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