3日に行われたB・A・R(ブリティッシュ・アメリカン・レーシング)の記者会見の席上、ジャック・ビルヌーブが言った「ようやくF1らしいマシンが出来た」という言葉はある意味で衝撃的だった。その言葉にはテクニカルディレクターのジェフ・ウィリスも思わず苦笑いしたほどだ。
これまでのBARホンダのマシンは、エンジンの出力にシャシー性能が追いつかず、エンジン自体の重量がマシンの挙動を悪化させる一因にもなっていた。新エンジンは小型軽量化を念頭に設計されたもので、低い位置にマウントしたことでコントロール性も向上。取り回しが確実によくなったという。ビルヌーブの「F1らしいマシン」という発言の真意はこのあたりにあるようで、言うなれば「思いきり振り回せるようになった」ということか。
皮肉めいたようにも聞こえる発言で周囲をドキッとさせたが、ビルヌーブの新マシンに対する期待はかなりのもの。記者会見の場では控えめな発言に留めることの多いビルヌーブが「このマシンなら良い結果を出せると思う」と珍しくも明言。ジェンソン・バトンも「良いマシンだし、全力を尽くすのみ」と、こちらも強気。
互いをライバル視していると報じられてきた2人のドライバーだが、この日の2人は終始リラックスムードだった。